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「自己破産の手続」に関するお役立ち情報

少額管財と通常管財はどう違うのか

  • 文責:所長 弁護士 湯沢和紘
  • 最終更新日:2022年2月14日

1 破産手続きの振り分け

自己破産手続きの申立てをすると、同時廃止と管財事件に大きく分かれていきます。

さらに、管財事件の中でも、規模の大きさによって2つに分かれます。

それが、「少額管財」等と呼ばれるものと、「通常管財」等と呼ばれるものになります。

2 沿革

古くは、自己破産をするための予納金は50万円程度必要でした。

そうなると、自己破産をしたいけれど予納金の準備すらままならず、申立てができないということも少なくありませんでした。

また、手続の期間も比較的長く、数多くの個人の自己破産手続きを処理することも困難でした。

そうした状況で、東京地裁において、コストを下げ、手続を簡略にした方法として、少額管財手続という方法が利用されていきました。

そのため、通常管財手続を簡略化した方法として派生されたものが少額管財手続ということになります。

3 実情

少額管財手続きは、全国各地の裁判所でも類似の手続きとして普及していきました。

他方で、通常管財事件となるのはある程度規模の大きな法人の破産の場合であるため、通常管財以上に少額管財の件数の方が大多数となっていきました。

これに伴い、東京地裁では、旧少額管財事件を「通常管財」と呼ぶようになり、旧通常管財は「特定管財」となりました。

横浜地裁では、少額管財についてはそのまま「管財事件」と呼び、現在東京地裁で特定管財と呼ばれているものは、「大規模管財」と呼ばれて区別されています。

東京地裁での呼び名の変更がややこしいところはありますが、ほかの裁判所でも、要するに小規模・簡易の管財事件と、大規模・複雑な管財事件とを分けている、という理解でよいかと思います。

4 違いと振り分けの目安

小規模な管財事件の場合、最低予納金20万円程度の費用で手続きを進めることが多いですが、大規模管財事件の場合には、最低でも50万円の予納金が必要となってきます。

振り分けの基準は必ずしも一律ではありませんが、債権者数が多数である場合や、総債務額が億に達するような場合、その他事案の複雑さ等によって振り分けられます。

また、裁判所によっては、小規模の管財手続に振り分ける条件として、弁護士が代理人について申立てをしていることを要するところもあります。

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