「自己破産の手続」に関するお役立ち情報
債権者集会とは
1 債権者集会とは
債権者集会というのは、自己破産手続の間で行われる集会のことです。
自己破産手続きは、通常、申立てる側の目から見て、「借金の支払義務を免除してもらう手続き」というイメージで考えられることが多いと思います。
しかし、債権者からみれば、「支払ってもらえるはずだったお金を払ってもらえなくなる手続」であり、金額にもよりますが、被る不利益は決して小さいものではありません。
そこで、債権者側にも意見を述べる機会を与える趣旨で、債権者集会という集会が開催されます。
2 債権者集会の概要
債権者集会は、主に破産管財人が申立人の財産状況を報告したり、破産手続きを廃止するか否かの意見を聴取したり、破産管財人の管財業務の収支計算を報告したりするものと位置づけられており、条文上はそれぞれの集会に関する規定もありますが、実務上はまとめて1回の集会で行われていることも多く、厳格に区別されていないところもあります。
3 債権者集会の実情
法人の倒産の場合、個人事業主で債権者に取引先がいる場合、個人的な貸し借りがあり、知人、友人、親族等が債権者となっている場合等においては、取引先や倒産した会社の元従業員等が出席することもあります。
もっとも、貸金業者等からの借入れのみの比較的小規模な個人の自己破産に関しては、債権者が誰も出席しない方が多いといえます。
この場合、裁判官、破産管財人、申立人、申立代理人だけでの債権者集会となります。
4 債権者集会がない場合もあります
債権者集会は自己破産に関して全件必須の手続きとはされていません。
弁護士が代理となっている申立てについて、借金の支払義務の免除(免責許可決定)を出すにあたって問題がないと裁判所が判断した場合には、手続開始と同時に廃止の決定を出す同時廃止という処理が行われ、この場合には債権者集会はありません。
また、債権者集会が、性質上人が集まることを想定している手続きであるため、新型コロナウイルス感染症対策の一環として、債権者集会を開催しない方法で管財事件を進める運用も一部取られています。