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Q&A

自己破産で税金は免責されますか?

  • 文責:所長 弁護士 湯沢和紘
  • 最終更新日:2022年5月23日

1 税金の支払義務は残ります

自己破産手続きは、申立人の立場からすると、最終的に裁判所からの「免責許可決定」を得ることが目的になるといえます。

この決定は、借金などの債務、つまり金銭支払いの責任を裁判所が免除する決定ということになります。

しかし、免責許可決定を得ても、税金の支払い義務は免除されません。

それは、税金が「非免責債権」とされているからです。

2 非免責債権とは

非免責債権については、破産法253条に規定されています。

文字通り、免責されない債権となります。

税金については、同条1項1号に、「租税等の請求権(共助対象外国租税の請求権を除く。)」と規定され、非免責債権とされています。

これにより、税金は破産しても支払義務を免れることができない債権として残ることになります。

3 非免責債権とされる理由

非免責債権が破産をしても支払義務がなくならないものとされている理由は様々です。

例えば、破産法253条第1項第3号では「破産者が故意又は重大な過失により加えた人の生命又は身体を害する不法行為に基づく損害賠償請求権(前号に掲げる請求権を除く。)」と規定していますが、例えば飲酒運転による死亡事故に関する損害賠償請求権等がわかりやすいと思います。

無責任にも飲酒運転をして人を轢いてしまい、死亡させてしまったとなれば、数千万円単位の損害賠償債務を負うことになると考えられます。

では、「そんなものは払えないから破産します」といって免責を認めてしまえば、被害者に酷な結果となることは明らかでしょう。

そのため、3号については、被害者救済としての側面等を理由として非免責債権となっているといえます。

では税金はなぜ非免責債権になっているかといえば、突き詰めると「国民の義務だから」ということになってきます。

借金が膨れ上がってしまったからといって、それを理由に国民が平等に負っている納税の義務は免れることはできないということです。

借金がかさんでしまっても、税金を滞納することについては十分注意していただければと思います。

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